更新回数が多いほど成果が出る?! Webサイト運用における時間浪費の罠

<質問>

ホームページは毎日更新した方が良いと聞いてブログの投稿を頑張っているのですが、成果が出ているのかわかりません。
どれくらい続けていれば売り上げUPにつながりますか?

<回答>

どれだけ続けていても売り上げUPはおろか、アクセスアップにもつながりません。
Webサイト運用の仕組みをつくり、成果につながる内容の更新(改善)を行いましょう。

最近、たびたび同じような質問を受けるので、逆に「なぜ毎日更新したほうが良いと思うのか?」を聞いてみたところ。

  • たくさん更新したらSEOに良いと言われた。
  • 毎日ブログを書くとアクセスが上がると聞いた。
  • WordPressを導入しても毎日更新しないと意味ないと言われた。
    という返答がきました。

このように、サイトの更新自体が目的になっている場合は成果にはつながりません。
本来、サイトの更新は目的を達成するための手段でしかないのです。

ちょと厳しくいいますと、このような質問や疑問を持たれている方のほとんどは無駄に時間を浪費しています。
今回のご相談は、ある製造業の社長からいただいたのですが、状況を少し説明します。

社長が興味を示していなかったダメなWebサイト

自社サイトの状況を社長に聞いたところで得られら情報を少し紹介します。

  • Webサイトから問い合わせがないことは把握している
  • 自社サイトにどれくらいアクセスがある答えられない
  • サイトの更新は少しパソコンに詳しい若い事務のスタッフがやってる
  • 予算はほとんどかけてない
  • 総務担当にできるだけブログを更新しするように伝えている。(内容は指示してない。)

いかがでしょう?
少し書きだしただけでもお分かりになるように、これでは売上UPにつながらなくて当然と思われたでしょう。
しかし、実際このようなサイト運営状況に陥っている会社はとても多いのです。

しかし、成果を上げているWebサイトでは実際にとても多く更新されているのも事実です。
では、売り上げに貢献しているWebサイトと、売り上げに貢献していないWebサイトでは何が違うのでしょうか?

売り上げが上がるWebサイトと上がらないWebサイトの違い

Webサイトの更新は行われているが、売り上げUPやビジネスに貢献しているWebサイトと、更新は行われているがまったく売り上げに貢献していないWebサイトでは何が違うのでしょうか?
私が相談を受けた際に、それぞれのサイトでよく当てはまる内容をいくつかピックアップしました。

売り上げUPにつながるWebサイト

  • Webサイトの目的と役割が決まっている
  • KPIを定めている
  • アクセス解析を導入している
  • PDCAを回している
  • 自社だけでなく他社や検索市場を意識した内容になっている
  • Web担当者が専任でいる
  • Web担当者が営業マンと密にコミュニケーションをとっている
  • Web担当者が経営指針や会社のビジネスやサービスに詳しい
  • 経営者のWebへの関心が高く、社内で協力する体制をとっている
    など

売り上げUPにつながらないWebサイト

  • Webサイトの目的や役割が決まっていない
  • KPIを定めていない
  • アクセス解析を行っていない
  • ビジネスに関係のない内容のブログを日々更新している
  • Web担当者が自社のビジネスを把握しきれていない
  • Web担当者が営業担当者とコミュニケーションをとっていない
  • 経営者が自社サイトの内容に無関心
    など

いかがでしょうか?
もしあなたのWebサイトが日々更新しているにもかかわらず、売り上げUPに貢献していないとするのであれば、あてはまる項目がひとつではないのではないでしょうか。
また、このように内容を見比べてみると、少しずつやるべきことが見えてきたのではないでしょうか。

しかし、どこから手を付けていけばよいかわからないままだと、結局たわいもない記事や会社の情報の更新を繰り返す日々に終わってしまいます。

優先順位をつけて進めると良いのですが、これがなかなか難しい・・・。、

プロに相談するにもどうすれば良いのか?という方のために今回は初めに抑えておくべき2つのことを紹介します。

サイト改善を行うために抑えておくべき2つのこと

1. 目標を決める。

Webサイトにもさまざま種類があり、その種類により目標も変わりますが、まず目標が定まっていないと更新の方針も決まりません。

Webサイトの担う役割を定めたうえで目標を決めましょう。

参考記事

2. 今の状態を確認する

ダイエットでも勉強でも同じですが、目標があっても現状を把握しないと行動指針をたてられません。

Webサイトも同様です。

まず自社サイトが誰にどれくらい見られているのかを把握する必要があります。

そのためのツールとして、無料で使えるGoogleアナリティクスを活用するとよいでしょう。

参考記事

 まとめ

Webサイトを更新していく上で重要な心構えは、更新は目的ではなく改善のための手段と捉えることです。
Webというだけで一歩引いてしまう経営者の方もいらっしゃるでしょう。

しかし、Webを経営に活かしたいのであればWebを実店舗(支店)と同じように位置づけてください。
実店舗の現状や目標を把握しておらず、ましてや興味がない経営者はいませんよね?
売り上げが上がっていないと現状を確認して、改善を考えます。
それを新人や会社のサービスをあまり理解していない社員に任せる経営者もいないはずです。

決してWebをリアルビジネスと引き離して考えてはいけません。
また、Webは特別ではありません。売り上げに貢献するサイトに育てるのであれば、経営戦略や営業戦略とも一貫性を持たせる必要があります。
もちろん目標に合わせて、予算や人員の配置もしていく必要があるでしょう。

このように、Webサイトもマーケティングのための一部(ツール)と考えられるようになれば、更新の内容を業者や知人に聞くのではなく自社で改善(更新)すべき内容が見えてくるでしょう。

大手企業から受注!小さな会社でもできるグーグルアナリティクスを使った組織分析の方法と活用事例

WEB解析 Advent Calendar 2014 の参加記事です。

<質問>

現在、BtoBビジネスをしていて、今後は大手との契約を獲得していきたいと考えています。しかし、直接営業アプローチしても相手にされません。小さな会社がWEB経由で大手企業から契約を獲得することは可能でしょうか?

<回答>

結論から言うと可能です。
しかしWEBだけでBtoBの契約が完結することはほとんどありません。
その為、WEBをフックにして契約を勝ち取るための分析テクニックと事例を紹介したいと思います。

グーグルアナリティクスで、自社サイトを閲覧している組織名を知る方法

まず、グーグルアナリティクスを使って、どんな企業が自社のWEBサイトを閲覧しているのか知る方法を紹介します。
それには「ネットワークドメイン」という項目を使います。

1.「集客>チャネル」を選択
2.ディメンションで、「その他>ユーザの環境>ネットワークドメイン」を選択

集客>チャネル

3.アドバンスフィルタで「co.jp」のドメインに絞り込みます。

アドバンスフィルタ

大手企業は独自のネットワークドメインを持っている事が多いため、この絞り込みでどんな企業が自社のサイトに訪れているのか判るというわけです。

「.com」でフィルタをかければ.comの企業も出せますし、ac.jpでフィルタをかければ教育機関を割り出すことも可能です。

ネットワークドメイン

ドメイン名を見ただけで、どこの企業が判別がつかない場合は、ドメインの前に「http://ドメイン」で検索してみるか、「whois」といったドメイン名登録情報検索サービスを使って企業名を割り出すことも可能です。

特定の企業が自社のどんな商品(コンテンツ)に興味を持っているか知る方法

WEBサイトに数多くの商品や提供サービスを掲載している場合、自社のどんな商品・サービス(コンテンツ)に興味を持たれているか調べることができます。
これには様々な確認方法があります。

セグメントを使った分析方法

1.新規セグメントを作ります。レポート(どのページでも良い)上にあります、下記のセグメントをクリックします。

セグメント

2.「新しいセグメント」をクリックします。

新しいセグメント

3.セグメントの設定画面が開かれるので、必要事項を入力します。

セグメント名は自由です。わかりやすい名前にしましょう。ここでは「組織分析(企業ドメイン)」としています。
次に「条件」をクリックして、フィルタで「ネットワークドメイン」を選びます。大手企業なので「co.jp」でフィルタをかけて最後に保存をクリック。

組織分析セグメント作成

これで大手企業だけの行動を把握するセグメントが完成しました。

企業ドメインセグメント

様々な項目でこのセグメントを使うこと、大企業だけのデータに絞り込んで見ることが出来ます。

また「3.」のco.jpでフィルタをかける部分を特定のネットワークドメインにすることで一企業だけのデータにセグメントすることも可能です。

*共有:グーグルアナリティクスレポート「企業セグメント(co.jp)」

特定の企業がどのページを見ているのかを調べる方法

1.「行動>サイトコンテンツ>すべてのページ」を選択
2.「セカンダリディメンション>ユーザー>ネットワークドメイン」を選択

特定の企業が興味を持っているページ抽出

3.アドバンスフィルタで「co.jp」ドメインを抽出。

アドバンスフィルタでco.jp抽出

特定企業の滞在時間

このレポートより、どの企業が、どのページを、どのくらい(滞在時間・ページビュー等)閲覧したのかが判ります。

組織分析レポートを活用して、営業アプローチする方法

前項により、どの企業が自社のどんなサービスに興味をもったのかが推測することが可能です。
しかし、それがわかっただけでは、自社の売上や契約には結びつきません。
ウェブ担当者がこういった情報を知ってサイト改善を行ったとしても、大手企業がいち中小企業に直接問い合わせをしてきて商談を申し込むなんて事はかなり稀です。
残念ながらデータはデータでしか無いのです。

そこで重要になってくるのが情報の共有です。
ウェブ担当者が自社内の営業担当や社長に情報共有することで、リアルでのアプローチが可能になります。

もしかしたら、先日営業担当が何かのイベントで名刺交換した相手かもしれません。そうすると直接アプローチが可能になりますね。
全く接点がない大手企業へは飛び込み営業では見向きもされないかもしれません。しかし相手の興味を持っている内容がわかっていればその部分に特化した資料を送付して後で電話からフォローするなんて方法を取れば取り合ってくれるかもしれません。

こういった対策はウェブ担当者がアクセス解析を眺めているだけではなかなか出てきません。
組織分析データは、社内の各担当者と共有することで大きな武器へと変わるのです。

WEBサイトの組織分析を活用して、大手企業の契約を勝ち取った会社のお話

販促物でお手伝いさせていただいた、ある会社の事例です。

「WEBサイトを見てくれていた某大手メーカーとの契約が決まったよ!」
先日こんな声が飛んできました。

この会社は、社員数十人の製造業で、売上には波があり、大手メーカーとの直接契約を取るにはどうすればよいかずっと悩んでいました。
WEBサイトを運営していましたが、地方の小企業に大手企業から問い合わせが入るわけでもなく・・・・

そこで、今回の組織分析を活用して、どんな企業がサイトを見ているかを分析することになりました。
すると・・・・、見ているではないですか!!数々の大手企業が。

さらに、大手企業の流入キーワードを調べたところ、あるメーカーが調べていたキーワードが自社の強みとマッチしていて脈があるのではないか?!という事が判明しました。

しかし、次に立ちふさがった問題はアプローチする方法がない事。
そのメーカーは直接営業を受けず、商社を活用して紹介を得る手法を取り入れていました。

そこでこの会社がとった打開策は
「東京の展示会に出展しよう!」ということでした。

国内外多くのメーカーが集まる展示会に出展すれば接点を持てる!と考えたのです。

数千社・もしくは数万社も人が集まる大きな展示会は、大企業の方も多く訪れますが、その分競争は激しい。
そんなにうまくいくはずないのでは、と半信半疑でした。

そこで、WEB解析により大企業が注目していたキーワードを、ブースのポスターやパネルに使いました。

すると、実際にWEBサイトを見てくれていたあの大手メーカーがブースにやって来たのです。

そこからは何に興味を示しているのかわかっていたので、契約に至るまでの話は早かったようです。もちろん初めから大きな契約を結べたわけではないですが、今後大きな契約に変わる可能性はあるということでした。

本件はひとつの成功事例にすぎませんが、組織分析を使えばBtoBビジネスの小さな会社でも新たな可能性が広がると事を改めて認識させてくれました。

Google Search Console (旧ウェブマスターツールの使い方!)ホームページの改善の為の活用術!

<質問>

ホームページを作ったらGoogle Search Consoleに登録した方が良いと言われたのですが、使い方がわかりません。実際何ができるのでしょうか?グーグルアナリティクスとはどう違うのでしょうか?

<回答>

この記事は最新版としてウェブ解析士協会さんに寄稿しました。
【決定版】Google Search Console の使い方。ウェブサイト改善のための活用術!